• 1994年 石川県金沢市に生まれる
  • 2018年  京都造形芸術大学 大学院修士課程 ペインティング領域 修了
  • 現在は京都を拠点に活動中。

【Statement】

存在/認識/共通認識/関係性をテーマに岩絵具、墨、膠といった日本画で用いられる画材を中心に制作。
画面は白黒で様々なイメージを合成した波のよう模様で構成している。それは抽象的とも具象的とも言える印象を鑑賞者に与えるだろう。その具象イメージも見る者によって変わり、多くは海と砂漠に大別される。作品の構図によってはそれが細胞に見える者や、具象的な印象は持つがその具体的なイメージを掴むことの出来ない者もいる。また、そもそも具象イメージを抱かずに抽象的な見え方しかしない場合もある。
この作品は見えているもの、在ると思っているものが本当にそこに在るのか、また、在るとするならばそれは一体どこに在るのか、と問いかける。

幼い頃に自分という自己意識が何故ここに在るのか、何故この世界が存在するのかという当時はまだ上手く言語化することの出来なかった不思議を抱いた。それはなんのきっかけもなく、ただ漠然と、ふと思った疑問であった。そして、その疑問は成長ととも萎むことも膨らむこともなく常に私の傍らにあった。
大学院に在学中、自身の制作テーマを考えている時にふと隣りにいたその不思議が目について、それについて深く考え始めることとなった。
考えれば考えるほどにその疑問は枝葉を伸ばし、新たな疑問を生み出す。ここにいる“私”の“ここ”とは何処か、世界は何処にあるのか、そもそも存在するとは一体どういうことなのかいった具合に疑問は増殖していく。

私には幼少の頃より空想癖があった。この空想は内なる物語に没入して楽しむという一種の一人遊びである。内にあるイメージを明瞭化し鮮明にし、より一層この遊びを楽しむための手段として絵を描いていた節がある。
それはいつしか遊びを手助けするためではなく、思考を手助けするものへと変化していった。今の私にとって絵を描くという行為は考える、文章を書く、対話するといった哲学をするための一つの方法なのである。

私とは、世界とは、存在とは。これらを探究するための一手段として私は今現在、絵を描いている。


【Exhibition & Award】

  • 2018年 京都造形芸術大学 大学院 修了展【優秀賞】受賞
  • 2018年 京都造形芸術大学「シュレディガーの猫展」出展 東京都美術館/東京
  • 2018年 京都造形芸術大学「画心展2018-Selection Vol 15」 【優秀賞】受賞 佐藤美術館/東京
  • 2019年「ZEN展」【優秀賞】受賞 東京都美術館/東京都
  • 2020年 Artistsʼ Fair Kyoto 2020 入選 京都文化博物館/京都
  • 2020年 IAG AWARDS 2020 入選 東京芸術劇場/東京

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